子供のいない私達夫婦は長男と長女なので、私はそれぞれのお墓の将来が気にかかっていました。
偶然出合った自然の力のセミナーで「生前葬・自然葬」というものがあることを知りました。
自分の父方、母方双方のご先祖全てが幸せになり、自分の死後の供養がこれで完了してしまうなら、
こんな素晴らしいことはないと思い、誰に相談することもなく即、自分の生前葬を決めました。
どうしてもやっておきたい事の一つが完了し、気持ちが楽になりましたが、
婚家のご先祖の供養も気になりはじめました。
そして主人に話をして主人にも生前葬をしてもらいました。
主人の父方だけでなく、母方のご先祖も幸せにできたと思うと、先祖が導いてくれた気がしてならない我々の結婚、
そのみえない使命が果たせたような安堵感がありました。
その後ある時、膀胱炎の症状がひどくなり、みえない世界の原因を探っていくと「自然葬」が挙がってきました。
「ご先祖は自分の生前葬で供養できているはずなのに・・・」と思ったのですが、実は父が亡くなってそのとき既に3年も
過ぎていたのに「機会をみつけてすればいいだろう・・・慌てなくても・・・」と勝手に思い込んで、
まだ父の「自然葬」をしていなかったのです。
なんと親不孝な娘・・・。
亡くなったらすぐに自然のサイクルに送り出すべきだったのに本当に申し訳ないことをしたと思います。
父の自然葬の費用は10万円。自分の生前葬は現地に行かずに済ませてしまいましたが、
今回は現地「天翔の里」でしっかりと父の「自然葬」を見届けました。
これでこの後、亡き父のことを何も心配する必要はありません。
父はもう行くべき所に行っている、という嬉しさにも似た安心感があります。
父に与えてもらった自分の人生を謳歌することこそが、ご先祖と両親への “本当の恩返し”としみじみ思います。