スーパーで30代くらいの女性がレジカゴを持たずに豆腐ともう1つ2つの商品を片手に持って買い物を続けているのが気になった。案の定、その手から豆腐が落下し「ぱしゃっ!」と音を立てて床に散らかった。どうするのかと思って横目で見ていたら、商品陳列をしている従業員に「すみませ〜ん、落ちちゃったんです〜」と言い、その人に「大丈夫ですよ」と言われて新しい豆腐を貰うと、何事もなかったかのようにまた買い物を続けていた。 商品陳列の作業を中断して掃除道具を取りに行き、床に落ちた豆腐を片付けているその従業員さんを見ながら、自分の感情の視点がずいぶん変わったことに気付いた。 少し前の私なら「カゴも持たず自分の不注意で商品をダメにしてこの人、何考えてんの!」と怒りがこみあげていただろう。でももっと以前の出来悪すぎ時代の自分を考えれば、そんな立派なことを言えるのか??? 相手の立場になって考えることもできず、彼女と大して変わらないことをしていたんじゃないの?とも思えた。 何も言わず当然のごとく掃除をしている従業員さんに、頭を下げて豆腐代金2倍位をお詫びに払いたい気持ちの今の自分がいる。 仕事帰りらしき綺麗な洋服を着たその女性と従業員さんの一コマが、自分の成長を見せてくれたのだった。